何年か前に適応障害になった時にタイトルに惹かれて購入したのがきっかけです。
当時は自分に自信が持てず、変わりたいと悩む日々でした。
アドラー心理学を対話形式で分かりやすく噛み砕いた内容になっています。
心理学系の自己啓発本が好きでよく読むの私ですが、中でもお気に入りの一冊の感想です。
自分が望んで問題を作り出している?
この本で紹介されている「アドラー心理学」はトラウマを否定しています。
私は適応障害で不登校だったのですが、アドラー心理学での解釈だと、私が学校に行きたくないから学校に行こうとすると腹痛を作り出している、ということになりそうです。
初めて読んだ時は衝撃的で、あまりにも厳しすぎると思いました。
ただ、読み進めるとトラウマを否定するということは過去との因果を否定することでもあることが分かります。
つまり過去に縛られず現在を選択することができるということなのです。
過去に学校で嫌なことがあったことと、私が今学校に行くかどうかの選択は全く関係がないということです。
私は自分が学校に行きたくない時に腹痛になることで、どこかほっとしていることを見透かされたようでした。
自分の本心を無視し、「こうあるべき」を優先した結果、歪みが心身の不調となって表出する人は現代に多いのではないかなと思います。
本心と向き合い、過去に縛られず自分で選択をする勇気に気付かされました。
いちばん刺さった!課題の分離
私は自分にはどうしようもないことで悩んでいることが多いことに気がつきました。
自分で行動できる範囲、影響を及ぼせる範囲と、それ以外をきちんと切り分けることで「できることをやろう」、「これはどうしようもない」など結論にたどり着くまでがかなり早くなりました。
あの有名な自己啓発本「七つの習慣」も何度も繰り返し読んでいるのですが、主体性を発揮するという部分でかなり似ていると思いました。
自分が理解できなかった部分
後半の「共同体感覚を持つ」という部分は正直何度読んでもしっくりはきませんでした。
自分自身への執着を他人への興味に切り替え、自分自身を宇宙全体の一部として捉えるようですが、他人からの評価が気になる私が自分への執着を手放せる時なんてくるのだろうか、と思います。
ここだけは自分に引き寄せて考えることができず、かなり高尚な話だなと思いました。
まとめ
かなり自分には刺さる内容でしたが、正直読む人は選ぶと思います。
本当に元気がない人には読むことをおすすめしません。
なぜならトラウマの否定の内容はうまくいっていない現状の否定とも受け取れるからです。
何かしらの症状が出ているのはサボり癖だ、と責める内容では無く、過去に関係なく今からだってなんでもできるという因果からの開放が目的だと思うのですが、元気がない時にはどんな言葉も刃になります。
ゆっくり休んできちんとご飯を食べて、都合の良い解釈ができる元気が出てきた時にぜひ読んでみてくださいね。