金属加工業は成長できる業種です。もちろん、会社員として雇われの身で成長するのも良いのですが、このコロナ禍という歴史の節目に当たり、リスクをとって起業してみる、というのも良いですよね。群馬で金属加工業を立ち上げることはできるのでしょうか。
まず、大前提として、製造業での起業は初期投資がかさみがちだという事実があります。例えば、サービス業なら極論を言えば、机一つ、手持ちのパソコン一つで仕事ができるかもしれませんが、製造業は基本的に生産設備、それを置く場所(工場)が必要だからです。機械はリースを活用して初期投資を抑えることもできますが、それも継続的にそれなりの金額を支払う必要があるため、中期で見れば実質的な費用負担に大差はありません。
また、何を作るかによっては免許や許可が必要な場合もあります。そうした背景から、製造業での起業は事例全体の3%程度に過ぎないとする調査もあります。
運転資金と販売先もメドを
例えばラーメン店なら、ある程度よい立地に店があれば、放っておいてもそれなりに客が入るでしょう。しかし、製造業というのは作って放っておいて売れるということはほとんどありません。黙っていれば、費用はかかるのに売り上げがゼロ、という状況も十分に有り得るのです。まさか、全く何のアテもなく起業する人はいないでしょうが、ある程度は販売先・納入先のメドを付け、十分な運転資金を確保した上で独立すべきでしょうね。
つまり、製造業の起業には「初期投資+運転資金+販売先のメド」が最低限必要ということですね。そうなると、数百万円単位の資金が要ります。自分の日々の生活費も考えると、そう簡単に用意できる金額ではありませんよね。家族や友人に借りられれば無利子で助かりますが、友人との間に金の貸し借りが発生するのを嫌う人は多いはずです。そんな場合は日本政策金融公庫など、政府系金融機関の創業支援融資が有用です。もちろん、無条件に貸してもらえるわけではありませんが、国策として創業を推している今、ちゃんと事業計画を説明できれば、有志を受けられる可能性はあります。検討してみてください。